ひめゆりの風

2007/08/15 新宿四谷会館

終戦記念日の今日、
東京で行われた「『ひめゆり』特別上映会~ひめゆりの風 ~」
に参加してきました。
実は先日届いたもう一個のチケットがこれでした。
正確にはハガキだけど。

16:30~映画上映
映画の前に実行委員の司会の方がお話を。
Coccoを通じてこの映画「ひめゆり」を知った人たちを
実行委員会ではCoccoの風と呼んでいるんだそうで
「私それ」って思いました。
で映画。
だいたいの内容はひめゆりのHP で見てください。
うまく私には説明できません。
だって沖縄戦を知らなすぎるから。
けれど元ひめゆり学徒のおばぁたちの証言は
とても生々しいものでした。
これまで出会ってきた戦争体験を語る人たちのなかで
一番リアリティのある話でした。
高校の修学旅行で広島に行き
被爆者の話を聞いたときよりもです。
ただあの時は自分の意思よりも押し付けのような感覚と
何もよりも楽しみたい修学旅行で
なんで悲惨な話を聞かなきゃいけないのだ。と思っていたのも事実。
今回は自発的な行動だったし
受け止める気で行ったので
残酷なものでもすんなり入ってきたんだと思います。
手術で切断された腕を平然と放りに行けたり
遺体を眼にしても泣くことがなくなったり
それまであった感情が看護従事という形で
戦争に参加することになり失われたことに
本人が気付いてショックを受ける。
私にとってはそこが一番ショックな部分でした。

19:30過ぎ~トーク
ここでの司会は監督の柴田さんでした。
ひめゆり学徒の島袋さん、宮城さんの紹介の後
Coccoの登場。
もらったお花をおふたりに渡すか床に置くかで
バタバタしてたのが微笑ましかったです。
趣旨から言って当然なんですが
おふたりの話がメインです。
Coccoの印象を監督さんが聞いたとき
やはりなんですが「お菓子と娘」についての話題で
緊張していた全員が少し和んだ感じがありました。
ひめゆり唯一の女性引率教員の方が
戦場には似合わないこの曲を歌ったのが印象的だったようです。
その先生は歌うときに「1.2.3はい」or「3.2.1はい」(どっちかだった)と
号令をかけてから歌ったんだそう。
だからCoccoがアルバムの中で
号令からスタートしたのにびっくりしたとも言っていました。
「よく調べましたね。」というようなことを言っていたけど
Coccoの反応から見るに多分偶然?
最後にコメントを求められて
「大事なのは命です。でも条件があります。
平和じゃないと意味がないんです。」と宮城さん(たしか)が
言っていたのがものすごく印象的でした。
その言葉にグっときました。
Coccoは怖いからと言って見ないのはダメだと。
(思い出したくない過去を)話しているほうが辛くて苦しいのに
体験もしてないのにそこから逃げてはいけないと
いうような内容の話をしてました。
この映画を見て今ピンとこなくてもいい。
知ることがきっかけであって
いつか何かと繋がってピンと来るかもしれないし。
とにかく体験者が生きていて触れるうちに
真実を聞いて知らないと語り継げなくなるからと。
昔、ゴミゼロ大作戦のDVDでアメラジアンの話をしたときに
「知らないことは罪と思うから」と言っていたのを思い出しました。
彼女の想い・信条は一切ぶれてないんだなと。
Coccoネタのブログ記事ではあるんですが
Coccoよりも真剣に生存者のおふたりの話に
私が集中してしまったので
Cocco話が伝わらなくて申し訳ないんですが。

20:00?~Coccoミニライブ
長田さんとふたりのアコースティック。
LIVE EARTHの時と一緒です。
Coccoのマイクスタンドには
3月発売のbridgeやアルバムのブックレットにも
ちらっと写りこんでいた白いおさるさんがいました。
「強く儚い者たち」「Heaven's hell」「お菓子と娘」
沖縄民謡?2曲「ジュゴンの見える丘」を歌ってくれました。
「Heaven's hell」ではギターを持って
(おばぁたちに向かって)「ギター恐ろしくヘタだけど
食べれてるから大丈夫です。心配ないや。
趣味だからよ。」って。
で最後にちょっと間違う。
「間違えても聞こえるなや」って笑ってました。
「お菓子と娘」では
長田さんのと合わせながらリコーダーをしつつ
「タンバリン(小さいもの)もしたい」と
全部自分次第なんだけどちょっと欲張りなCoccoが垣間見れました。
結局「最初はタンバリンだや」と言って歌い直し、
会場全体が手拍子で参加。
きちんとリコーダーのタイミングでタンバリンを手放し
ちょっと忙しそう(笑)
沖縄民謡は聴いたことがあるようなないようなモノで
私は詳しくないので曲名は分かりませんでした。
最後、「ジュゴン~」の時には
「今日もレコーディングしてたんだけど
12時3分前に終わってできたCD抱えてみんなで黙祷しました。」
やばい3分前だ。て焦ったけどって加えながらMCを。
今回は最初と最後に方言が入っていました。
結局どれがCD化されるバージョンなのかわかんないんですけど。
「ジュゴンの見える丘」は9月15日沖縄限定で発売するということです。
「~決定しました!おめでとう!」って自分で言っておきながら
話すことがありすぎてけっこう重要なこの告知を
さらっと「どうでもいいことだけど」て言ったことに笑いました。
いいのかい!
歌が生まれて短い期間でリリースできること。
とてもいい変化です。
帰りに「ジュゴンの見える丘」の歌詞が書かれたビラをもらいました。
Cocco直筆のメッセージもあります。
先日のMステ出演時にwebに残した
ジュゴンのイラストもありました。
裏にはLIVE EARTHで語ったジュゴンに関するMC全文と
想い事。の抜粋も掲載されています。

すべてが終わって感想を書いているとき
Coccoのミニライブを見ていたおふたりに
感想を言うために並んでいました。
流れが止まらないようだったので
私はお声がけを諦めて帰ってきましたが
Coccoが参加しなくても
こういう触れ合う機会を設けた映画とセットのイベントは
生存者が許してくれるなら続けてほしいと思いました。

ものすごく個人的なことを言うと
この特別上映会の情報が上がったのが私の誕生日。
そして参加できた今日、終戦記念日は祖母の84回目の誕生日。
妙な縁を勝手に感じています。
戦争を体験した私の祖父母で今生きているのは
このおばあちゃんだけです。
小学生の頃、学校の宿題で戦争について聞いたとき
多くは語ってくれませんでした。
「最悪だ」
そんな感じのことを二言三言言っただけ。
ひめゆりのおふたりも
証言するまでに30~40年かかったと言っていました。
10代で友人を目の前で失うのはそれくらい酷なことなんだと。
それでも全国のみんなの力を借りつつ
自分たちでひめゆりの記念館を造ったのです。
その思いは計り知れない。
私は今後も無理に祖母の口を開こうとは思いません。
でも過去に起こった悲惨な出来事を何も知らずにいるのは罪です。
それははっきりと分かったことです。
ぜひこの映画を見て下さい。
この映画じゃなかったとしても戦争について真実を知ってください。
未来永劫戦争を起こさないために。
平和ボケで一生いられるように。

拙いながら終戦記念日に願いをこめて。